徳島大学病院 卒後臨床研修センター(歯)

プログラムの概要

平成31年度徳島大学病院歯科医師臨床研修プログラムの概要

研修目標

患者中心の全人的医療を理解し、全ての歯科医師に求められる基本的臨床能力(態度、知識、技術)を習得し、患者に信頼される歯科医師としての人格の涵養に努める。 また、Cプログラムでは、将来の大学院進学や専門医取得を目視し、総合診療に加え、専門領域の研修を行い、より高度な診察能力の習得に努める。

研修プログラムの特徴

 本学のA、Bプログラムは、大学病院と日常臨床で頻繁に遭遇する症例の豊富な臨床研修施設群からなる施設で、小児から成人、高齢者の各年代層に対応したプライマリケアをはじめとした基本的な歯科診療能力をより効率的に習得できるように企画している。

 卒前臨床教育で学んだ態度、知識、技術を踏まえ、患者中心の良質で、適切な歯科医療を提供し得る歯科医師の生涯研修の第1歩として、全ての歯科医師に求められる高い倫理観ならびに基本的な臨床能力を身につけることを目指している。

 そのため、1年間の限られた期間内で小児から高齢者の一口腔単位の総合診療が単独で行えるように、総合診療においては指導歯科医が、1年間を通じて研修歯科医一人一人に治療計画の立案から経過観察まで指導する体制をとっている。また、幅広い基本的な最新の歯科医学の知識を得るための、各診療科間の垣根を取り払ったセミナーを行っている。 Cプログラムでは、専門歯科診療を主体として総合歯科診療を組み入れ、2年目以降の大学院進学や専門医をめざした研修を取り入れ、高度で先進的な歯科医療が実践できる専門医としての将来研修の基盤を身につけることを目指している。  

研修方法

研修方法プログラム研修場所募集定員(人)
単独型A プログラム徳島大学病院40
単独型C プログラム徳島大学病院
複合型 B-1 プログラム(短期)徳島大学病院+協力型(短期)
B-2 プログラム(長期)徳島大学病院+協力型(長期)10
1.Aプログラム(単独型):

一年間を通じて徳島大学病院で研修する。総合診療を基本に専門診療科のローテイト研修を取り入れた研修を行い、生涯研修の足がかりとする。

2.Bプログラム(複合型):

高頻度疾患を数多く経験し、大学病院では経験困難な地域医療や在宅診療などの経験を協力型研修施設でつみ、地域社会での口腔保健の指導者となる足がかりとする。

B-1プログラム(短期):徳島大学病院で基本的診療技術を修練し、6ヶ月間協力型研修施設で地域歯科医療を実践する。

B-2プログラム(長期):8ヶ月間協力型研修施設で地域歯科医療を修練し、徳島大学病院では、医療安全、全身管理などを中心に研修を行う。

3.Cプログラム(単独型):

1年を通じて徳島大学病院の専門外来での専門的な診療を基本に、総合歯科診療のローテイト研修を取り入れた研修を行い、専門医の取得など将来の専門研修の足がかりとする。

研修体制

1)総合臨床研修は、一般歯科診療においては主に総合歯科診療部または保存科・補綴科で研修を行い、一口腔単位の治療計画を立案し、その計画に基づき治療を行う。認定医または専門医を持つ指導歯科医が中心となって研修歯科医を指導する。

2)ローテイト研修は、定められた日程により、総合歯科診療部、口腔外科、口腔内科、歯科麻酔科、歯科放射線科、口腔管理センターにおいて研修を行う。当該診療科の科長、部長が選任した主任研修指導歯科医および指導歯科医が指導する。

3)専門診療科研修は、当該診療科において、指導歯科医が中心となって外来患者を担当し研修歯科医を指導する。

研修の評価

1)研修歯科医自身による研修到達度の自己評価および指導歯科医の2者の評価をもって行う。

両者が修得と評価した場合のみ、「修得」とする。
評価には、オンライン評価システムDEBUTを用いる。

2)卒後臨床研修の到達目標は「徳島大学病院歯科臨床研修初期プログラム実施要項」による。

研修修了の条件は、基本習熟コースの到達目標を全て修得すること。
基本習得コースは、全て高頻度に体験することとする。

3)大学病院が企画した講習会および卒後臨床研修センターが企画した臨床セミナーの出席状況。
4)研修手帳の記載状況
5)研修修了前に、症例報告会の開催および症例報告書の提出を行い、研修主任会において、総合的に研修修了の評価を行う。
6)研修中の態度、および研修歯科医の適正を指導歯科医が評価する。

1)~6)の全体評価に基づき、研修主任会議で予備認定を行った後、研修管理委員会で修了を認定し、病院長が研修歯科医に修了証を発行し、厚生労働省に登録する。

臨床研修プログラム(例)

101112
単独型
(A・C)
総合臨床研修+ローテート研修
複合型
B-1
総合臨床研修+ローテート研修 協力型研修施設
(6ヵ月)
複合型
B-2
総合臨床研修+ローテート研修協力型研修施設
(8ヵ月)
【共通プログラム】
  • オリエンテーション(4月)
  • 全身管理研修:医療安全・全身管理の研修を行う。

1.歯科麻酔研修:1週間ローテーションを組み行う。

2.救急処置研修:半日間行う。

【各プログラム】
1.Aプログラム(40名)
①総合歯科コース

総合臨床研修に加え、歯科放射線科でローテイト研修を行い、一般的歯科診療についての広範囲な歯科治療の基本を習得する。

456789101112123
研修
(研修場所)
予備
研修
総合歯科診療部

ローテート科(歯科放射線科)
全身管理研修は、歯科麻酔科において1週間固定期間で行うため、
別途ローテーションを組む。
周術期口腔ケア研修および学校歯科健診を研修協力施設で行う。

②病院歯科コース

予備研修終修了後、5月から口腔外科、口腔内科、歯科麻酔科または歯科放射線科から1専門外来を選択し、そこで5ヶ月間研修を行い、その後、総合歯科診療部で総合治療計画に基づいた総合歯科診療を行い、全身管理を中心とする包括的歯科医療の基本を習得し、将来の専門医取得の足がかりとする。

例)

456789101112123
研修
(研修場所)
予備
研修
専門外来(口腔内科、口腔外科、歯科麻酔科、歯科放射線科) 総合歯科診療部

ローテート科(歯科放射線科)
研修の順序は変更する場合がある。
全身管理研修は、歯科麻酔科において1週間固定期間で行うため、
別途ローテーションを組む。
周術期口腔ケア研修および学校歯科健診を研修協力施設で行う。

③発達・育成歯科コース

予備研修修了後、6ヶ月間総合歯科診療部で総合治療計画に基づいた総合歯科診療を習得した後、矯正歯科または小児歯科で発達・育成歯科を中心とする包括的歯科医療の基本を習得し、将来の専門医の足がかりとする。

456789101112123
研修
(研修場所)
予備
研修
総合歯科診療部 専門外来(矯正歯科、小児歯科)

ローテート科(歯科放射線科)
全身管理研修は、歯科麻酔科において1週間固定期間で行うため、
別途ローテーションを組む。
周術期口腔ケア研修および学校歯科健診を研修協力施設で行う。

④保存・補綴コース

予備研修修了後、保存科または補綴科を5ヶ月または6ヶ月でローテイトし、大学病院で経験できる高頻度治療研修を中心に行う。

例)

101112
研修
(研修場所)
予備
研修
保存研修または補綴研修
(歯科診療室)
補綴研修または保存研修
(歯科診療室)

ローテイト科(歯科放射線)
全身管理研修は、歯科麻酔科において1週間固定期間で行うため、
別途ローテーションを組む。
周術期口腔ケア研修および学校歯科健診を研修協力施設で行う。

⑤保存・補綴・口腔外科コース

予備研修修了後、保存科・補綴科でそれぞれ4ヵ月間、口腔外科で3ヵ月間研修を行い、保存、補綴、口腔外科の基本技能を短期間で集中的に習得する。

例)

101112
研修
(研修場所)
予備
研修
保存研修
(歯科診療室)
補綴研修
(歯科診療室)
口腔外科研修
(口腔外科診療室)
研修
(研修場所)
予備
研修
補綴研修
(歯科診療室)
保存研修
(歯科診療室)
口腔外科研修
(口腔外科診療室)

※ローテイト科(歯科放射線)
全身管理研修は、歯科麻酔科において1週間固定期間で行うため、
別途ローテーションを組む。
周術期口腔ケア研修および学校歯科健診を研修協力施設で行う。

2.Bプログラム(15名)
①B-1プログラム(地域歯科医療初期プログラム)(5名)

管理型での研修(Aプログラムの総合歯科プログラムに準ずる)に、6ヶ月の協力型臨床研修施設での研修を加え、頻度の高い歯科治療を多数行うとともに、歯科医師の社会的な役割を理解する。

②B-2プログラム(地域歯科医療プログラム)(10名)

8ヶ月の協力型臨床研修施設で地域医療に密着した研修、在宅診療の研修を行い、地域歯科医療を担う歯科医師の役割を理解する。大学病院では、全身管理、安全管理研修を中心に行う。

3.Cプログラム(8名)※
①歯科保存学コース(研修責任者:松尾 敬志 診療科長)

11か月で、歯科保存分野における診断や治療法、救急処置、予後判定などを研修し、これらの能力を身につける。治療内容として、象牙質知覚過敏処置、保存修復(コンポジットレジン修復、グラスアイオノマ−修復、インレー修復など)、歯内治療(覆髄、抜髄、感染根管治療、歯内外科処置など)、そして歯周治療を行う。なお、簡単な抜歯等の口腔外科分野の処置や簡単な補綴処置なども行う。

②歯周病専門コース(研修責任者:湯本 浩通 診療科長)

歯周治療の研修内容を増やして専門性を高めることを特徴にする。すなわち、歯周外科手術が必要となるような中程度以上の歯周炎患者に対して、一口腔単位で外科治療、補綴治療を含めて治療を行い、研修歯科医が自ら治療を完結できるような実力を養うための研修を行う。保存以外の補綴および口腔外科等に関する研修(評価)については、基本的には「保存・補綴コース」に準じ、補綴科、口腔外科(口腔内科)、総合歯科などと連携しながら、研修を実施する。

③高度口腔機能・審美回復研修コース (研修責任者:市川 哲雄 診療科長)

一般の研修歯科医に求められる基本事項を踏まえ、欠損歯列に対する高いレベルでの口腔機能・審美回復を近い将来に実施できるようになるために必要な知識、態度および技能を習得する。 欠損歯列に対する高いレベルでの補綴歯科治療や、要介護、後期高齢者など様々なリスクの高い患者の補綴歯科治療、ケアを体験すると同時に、座学、セミナー、実習などを通してこのような機能回復・ケアを行うために必要な情報を集め、分析する能力を養う。

④かみあわせ補綴科コース(研修責任者:松香 芳三 診療科長)

かみあわせ補綴科外来を中心に眼前の患者に対する治療計画の立案から経過観察まで行うことにより、一口腔単位の総合診療が単独で行うことができるように研修する。日本補綴歯科学会指導医の資格を有する卒後臨床研修指導歯科医が一般歯科診療の習得とともに、専門性の高い補綴歯科治療に関しても研修する。患者治療を通して総合歯科、口腔外科あるいは保存科などの指導歯科医と協力して指導にあり、包括的歯科診療を習得する。

⑤口腔内科持続研修コース(研修責任者:東 雅之 診療科長)

口腔内科外来研修は、白板症などの前癌病変から扁平上皮癌に至る口腔粘膜疾患をはじめ、炎症性疾患、シェーグレン症候群などの自己免疫疾患、口腔乾燥症、舌痛症などの疾患治療の臨床研修に加えて、抜歯、嚢胞摘出術などの外来外科手術の研修を行う。また、口腔内科病棟における入院患者管理および医科入院患者に対する口腔ケアや周術期口腔機能管理などを通じて医・歯連携の研修を実践する。

⑥口腔外科研修コース(研修責任者:宮本 洋二 診療科長)

臨床歯科医として必要な基本的な歯科診療能力を習得するとともに、専門分野である口腔外科の種々の疾患に対して、的確な診断と治療が行える能力を習得するコースである。顎口腔領域の炎症、外傷、嚢胞、腫瘍、顎関節疾患、顎変形症、インプラントなどの口腔外科疾患患者を担当し、その診断と治療の知識と手技を習得する。また、入院患者を担当し、患者の全身状態を正しく評価・把握し、安全に治療を行なうための全身管理を習得する。

⑦矯正歯科コース(研修責任者:田中 栄二 診療科長)

矯正歯科診療、とりわけ、成長期の患者の矯正治療に関する知識と臨床技術の習得を達成目標とする。週4日、特定の指導歯科医のもと、矯正診断見学、診療見学を行うとともに、新患の診断資料採得、資料分析を自ら実施する技術を修得する。矯正歯科における専門外来(口蓋裂外来、顎関節外来、顎変形症外来)への参加、矯正歯科主催の講演会、講習会への参加し、広く矯正歯科に関する知識等を身につける。週1日は、総合歯科において、一般歯科診療技術の習得を行う。

⑧小児歯科コース(研修責任者:岩本 勉 診療科長)

小児の成長発育を学び、そこから乳歯・幼若永久歯の齲蝕予防並びに齲蝕治療の考え方および実際の治療法を習得する。また、小児期の外傷歯に対する治療法および対応法を習得する。また、地域との連携に関する概念を学ぶ。さらに総合歯科との連携を図り一般歯科診療を習得する。関連各科(歯科麻酔科、歯科放射線科、口腔外科)との連携を図り、小児歯科医師として求められる最低限の知識、技術の習得訓練を行い、最終的には専門医習得の足がかりとする。

⑨歯科麻酔/全身管理コース(研修責任者:北畑 洋 診療科長)

本コースは、歯科治療や手術患者の全身麻酔、精神鎮静法およびモニター管理などの歯科麻酔における臨床技術を身につけるとともに、患者の全身管理に関する基本的な知識を得ることを目標とする。歯科麻酔外来および手術室を中心に研修を行い、最初の3か月間は総合歯科において一般歯科診療を習得する。小児から多くの合併症を有する高齢者まで対応した基本的な全身管理を効率的に学び、診断学、臨床検査学を含む医学的な知識を習得する。

※Cプログラムをマッチングで登録する場合には、予め当該コースの研修責任者と必ず相談すること。

研修終了後の進路等について

本院では、1年間の臨床研修終了後、すべての研修歯科医は2年目以降において各人が希望する診療科・診療部および大学院各分野の長と協議の上、つぎのコースを選択することが可能である。

1)大学院進学コース

基礎歯科医学、臨床歯科医学を学ぶコース

2)臨床研修後期研修プログラムコース(10名)

本学歯科診療部門の各診療科・診療部において、一般歯科臨床医として知識・技能を高め、さらに高度な認定医、専門医、指導歯科医を目指すコース